Cécile Andrieu "Voix du silence"
2011-09-25 13:32:54 (236 days ago)
セシル・アンドリュさんの個展に行ってきた。
セシルさんはフランス出身で、金沢在住のアーティスト。
以前このブログでも紹介した、洗足池病院に付属のGallery Cocon 古今で、"Voix du silence"(沈黙の声)という展覧会を開催中。
エントランスから奥の病院へと続く廊下の作品。タイトルは"Thesaurus"(宝)。

近づいてみると、テキストが書き込まれた紙がぎっしりと詰まっている。

この紙、実は保管期限の過ぎた病院のカルテを裁断したものだそう。
この廊下をさらに奥へ進むと、いわゆる古美術作品が展示されているのだが、病院のスタッフと患者の、病に対しての共闘の記録としてのカルテは、それら「国の宝」に比肩しうる「病院の宝」であると彼女は考えた。
古美術や骨董の魅力の一つは、「時間」である。人間の一生ではどうやっても持ち得ない、悠久の「時間」に対する憧れ、欲望。
もっと生きたい、と願った患者やその家族、治療に携わった医師や看護婦は、永遠に生きる事はできないけれど、裁断され平たいアクリルのカプセルにパックされたカルテは、あと数百年もすれば、隣にある古美術作品のようになるかも知れない。
1階から2階にかけての吹き抜け部分にある、"Vocem-D"(声-デュエット)。

フランス語の辞書からはぎ取られたたくさんのページが、無数の小さな穴のあいたメタルフレームの中に閉じ込められている。
無音のままレベルメーターがMAXになったような印象を受ける。
2階にあがると、定規の様な長いイメージが並べられた作品。

目盛りのような細部。タイトルは"MOT ETALON"(言語原器)。

目盛りのように配置されている、おそらくテキストであったであろう部分は黒く塗りつぶされ、言葉のようなもの、の状態。なんとなく測れそうな、測れなさそうな、モノサシ、のようなもの。
でははっきりと言葉になれば測れるのか、それも分からない。
3階には、茶室(!)がある。床の間の花とともにある作品、"WA"(和)。

あまりにも床の間に馴染んでいるので、「作品はどこですか?」と聞かれるそうな(笑)。
中央にあるのが、「縦書き」。右にあるのが「横書き」。これは原稿用紙であるらしい。
縦書きには墨汁、横書きには顔料を使用して、黒い罫線となっている。
無限のページが広がる原稿用紙・・・、文筆業を生業とされている方には非常に恐ろしいかも知れない。
他の作品は実際に展示を見て頂くとして、紹介は以上。
タイトルが示すように、静かな空間に、無言の、無数の声が響き渡る、緊張感に満ちた展示。
また、環境的にも建築的にもユニークな空間を意識した展示は、実際に足を運んでみないと体感できない。
会期や開廊時間は、ギャラリーホームページにてご確認を。
(斎藤)
セシルさんはフランス出身で、金沢在住のアーティスト。
以前このブログでも紹介した、洗足池病院に付属のGallery Cocon 古今で、"Voix du silence"(沈黙の声)という展覧会を開催中。
エントランスから奥の病院へと続く廊下の作品。タイトルは"Thesaurus"(宝)。

近づいてみると、テキストが書き込まれた紙がぎっしりと詰まっている。

この紙、実は保管期限の過ぎた病院のカルテを裁断したものだそう。
この廊下をさらに奥へ進むと、いわゆる古美術作品が展示されているのだが、病院のスタッフと患者の、病に対しての共闘の記録としてのカルテは、それら「国の宝」に比肩しうる「病院の宝」であると彼女は考えた。
古美術や骨董の魅力の一つは、「時間」である。人間の一生ではどうやっても持ち得ない、悠久の「時間」に対する憧れ、欲望。
もっと生きたい、と願った患者やその家族、治療に携わった医師や看護婦は、永遠に生きる事はできないけれど、裁断され平たいアクリルのカプセルにパックされたカルテは、あと数百年もすれば、隣にある古美術作品のようになるかも知れない。
1階から2階にかけての吹き抜け部分にある、"Vocem-D"(声-デュエット)。

フランス語の辞書からはぎ取られたたくさんのページが、無数の小さな穴のあいたメタルフレームの中に閉じ込められている。
無音のままレベルメーターがMAXになったような印象を受ける。
2階にあがると、定規の様な長いイメージが並べられた作品。

目盛りのような細部。タイトルは"MOT ETALON"(言語原器)。

目盛りのように配置されている、おそらくテキストであったであろう部分は黒く塗りつぶされ、言葉のようなもの、の状態。なんとなく測れそうな、測れなさそうな、モノサシ、のようなもの。
でははっきりと言葉になれば測れるのか、それも分からない。
3階には、茶室(!)がある。床の間の花とともにある作品、"WA"(和)。

あまりにも床の間に馴染んでいるので、「作品はどこですか?」と聞かれるそうな(笑)。
中央にあるのが、「縦書き」。右にあるのが「横書き」。これは原稿用紙であるらしい。
縦書きには墨汁、横書きには顔料を使用して、黒い罫線となっている。
無限のページが広がる原稿用紙・・・、文筆業を生業とされている方には非常に恐ろしいかも知れない。
他の作品は実際に展示を見て頂くとして、紹介は以上。
タイトルが示すように、静かな空間に、無言の、無数の声が響き渡る、緊張感に満ちた展示。
また、環境的にも建築的にもユニークな空間を意識した展示は、実際に足を運んでみないと体感できない。
会期や開廊時間は、ギャラリーホームページにてご確認を。
(斎藤)


